犬白内障 すべて手術ができるわけではありません

勘違いされている方もおられると思うのですが、すべての犬の白内障患者が手術を受けられるわけではありませんこちらの動物病院の場合、犬の白内障手術を希望して来院される患者のうち、手術にこぎつけるのは、約2割でしかないそうです。

 

白内障手術というと、なんとなく、

 

 「最後は手術さえうけさせてあげれば、愛犬に光を取り戻してあげられる」

 

と思っていたのですが、大部分は手術も受けられない、ということです。

 

 

別の眼疾患により、手術が受けられないケース

白内障以外に、犬の眼に次のような疾患がある場合は、手術を受けることができません。

 

1. ぶどう膜炎
  ・活動期のぶどう膜炎
  ・水晶体過敏性眼内炎
  ・陳旧化したぶどう膜炎でも,虹彩後癒着の激しいもの

 

2. 網膜疾患
   ・突発性後天性網膜変性症候群(SARDS)
    眼底検査は初期では正常で, ERG 検査によって確認する。
   ・進行性網膜変性症(PRD)
  ・コリー眼異常(CEA)あるいはシェルティー眼異常 (SEA)

 

3. Non-recordable ERG 3* Negative ERG

 

4. その他
  ・網膜剥離
   ・眼球癆
   ・第一次硝子体過形成遺残(PHPV)

 

 

眼疾患以外の理由で、手術が受けられないケース

 犬に眼疾患がなくとも、以下のような場合、手術を受けることができません。

 

・患者の性格に問題がある場合
・飼い主の性格に問題がある場合
・全身状態に問題がある場合
・全身麻酔に対する危険が大きいもの
・老齢,重度の肝・腎疾患

 

手術は極めて、デリケートなものなので、このような問題がある場合には手術を避けることになるのでしょう。

 

<参考文献>
・太田充治:獣医畜産新報55 (4),2002

 

 

期待される目薬による犬白内障の治療

 白内障手術ができないのは、患者(犬)に大きな他の健康上の問題があるからで、手術が患者に大きな負担をかけるためです。
そこで、目薬で白内障の改善ができる、ということになれば、目薬の処方自体は、体への負担がとても少ない方法ですので、手術を受けられない場合であっても白内障の改善に期待が持てそうです。