犬白内障の進行の早さ

飼い主が、愛犬の眼の白内障を発見した後、気になるのは、

 

「白内障の進行がどれくらいの早さで進行していくか?」

 

ということだと思います。

 

白内障の進行が進んで、後期状態になればなるほど、犬の視力が失われて、行動が制限されてしまうことや、目薬処方や手術を行うにしても、治しにくくなってしまうので、とにかく、早い段階での処置が重要となります。

 

 

白内障の発症年齢と同進行の早さの関係

分類

説明

進行の速さ

先天白内障 出生時あるいは出生後まもなく(生後6〜8週齢以前)にみられる白内障。 緩徐(ゆるやか)
若年白内障 生後1〜6歳齢の間に見られる白内障。特定の原因(外傷、糖尿病など)が除外される場合は、遺伝性である可能性がある。 早い。両側性。
老年白内障 6歳齢以上になって見られる白内障。 比較的遅い

その他
 (外傷性白内障)

トゲなどによる角膜穿孔創が水晶体前嚢に達し、前皮質の水晶体線維が損傷を受けると白内障を生じる。 ある期間を経過したらそれ以上の進行をみないことが多い。

その他
 (糖尿病白内障)

糖尿病の罹患により併発する白内障のこと。糖尿病に罹患するとほとんどのケースで白内障を発症する。 数日で成熟白内障に発達する。

 

犬の白内障の発症年齢による分類で、その進行の早さとの関係を表にしたものです。また、外傷性、糖尿病白内障についても記載しました。

 

表からわかりますように、若年白内障と糖尿病白内障の場合には、白内障の進行が早いので注意が必要です。糖尿病白内障の場合は、急に白内障になったので調べてみたら、糖尿病だった、というケースもあります。

 

<参考文献>
・太田充治:獣医畜産新報55 (3),2002

 

 

白内障の進行(混濁)の程度について

白内障の混濁の程度について、説明をします。下表は、白内障の進行(混濁)の程度とその状態(写真)の関係を示したものです。

 

混濁の程度 説明

写真

初発白内障

・水晶体の初期変化で水晶体実質あるいは嚢にみられる限局性の白内障。
・混濁が赤道部に限局していれば視覚は比較的維持されている。
・この時期に飼い主が白内障に気付くことは少ない。

Animal Eye Clinic

未熟白内障

・初発白内障より混濁が進行し、水晶体が広範囲にび漫性に混濁する白内障。
・視覚は減退するもののそれに気づかないことも多い。
・飼い主が白内障を発見して来院する場合も多い。

animal eye care Animal Referral Center

成熟白内障

・水晶体実質全域に混濁がみられる白内障。
・視覚は消失する。

Animal Referral Center animal eye care

過熟白内障 ・成熟白内障がさらに進行して皮質内に結晶様物質を認めるようになる。

MyPetsDoctor.com Animal Eyecare Clinic

毎日、飼い主は愛犬の健康状態を確認していると思いますが、白内障の兆候を見逃さないようにしたいものです。

 

<参考文献>
・太田充治:獣医畜産新報55 (3),2002